【過去記事転載】1年目コースワークを終えての感想(プレリム除く)

ここPenn Stateでの1年目の授業が終わったところなので,忘れる前に各授業の様子について書き残しておこうかと思います.

秋学期

Penn Stateでは8月最終週から12月中旬までが授業の週です.

Microeconomics
Auctionのテキストで有名なVijay Krishnaが担当していました.内容は標準的な消費者理論,生産者理論,Aggregation,一般均衡理論で,テキストはMWGでした.ほとんど既習の内容ではありましたがVijayは授業が非常に上手く,非常に楽しい授業でした.

MWGの内容をメインとしつつ,数学的なややこしさよりも理論や証明の背後にある直観を特に重視していたように思います.試験もそれほど難しくなく,中間・期末試験では平均点は8割前後だったように思います.

Mathematical Economics
要するに経済数学です.距離空間の位相や点列の極限などの初等的な解析学をやったあとに線形代数や簡単な関数解析(と言っても縮小写像定理程度です),最後に最適化をやるという標準的な内容でした(授業では証明をかなり丁寧にやっていたため時間が足りず微分は講義せず,という形にはなりましたが).

宿題の際にも論理の飛躍がないように答案を書くことが要求されていたため,僕なんかはよく点をひかれたりしたものですが,留学を目指している日本人にとってそれほど難しい内容ではないと思います(とはいえ,数学書で練習問題を解くくらいの訓練は事前にしておいたほうが良いとは思います).

Ecnonometrics
計量経済学と銘打ってはいますが,完全に確率論と統計学の授業です(まぁよくあることです).他の大学とは違うそうですが,Penn Stateでは測度論ベースの確率論から解説し,大数の法則や中心極限定理,また連続写像定理などの漸近論の内容まで一気にカバーしていきます(標準的な統計学の内容だと思いますが,仮説検定に関しては簡単な説明だけでした).

測度論のバックグラウンドのある学生は少なくまさに阿鼻叫喚でした.僕も多少は測度論を齧ってはいたものの確率論のトピックで馴染みのないものも多く,結構苦労しました.Penn Stateに入学する場合,出来ることなら予習をしておいた方がいいと思います.

春学期

1月上旬から4月下旬までです.

Microeconomics
秋学期のMicroの続きで,不確実性下の意思決定(期待効用定理とAnscombe-Aumannの主観的確率による期待効用定理),ゲーム理論,オークションとメカニズムデザイン,プリンシパル・エージェント問題などをカバーしました.

トピックの選び方自体はGibbonsに沿っていましたが,内容はそれよりも難しめでFudenberg and TiroleやMyerson,Osbourne and Rubinsteinなどの上級テキストの内容に近い部分も往々にしてありました.個人的には授業や宿題の問題文などで教員の意図が上手くつかめず,かなり苦労しました.

Macroeconomics
なぜかPenn Stateでは春学期にまとめて1年分のMacroの授業を受けます.なので授業が週4コマありました(他の授業は1コマ75分を週2コマ).

前半はRussel Cooperが担当で2期間の貯蓄や労働供給決定のモデル,real OLG,OLG with money,DP,Optimal Growth (DPの応用として),そして消費と投資の理論,耐久財のモデルなんかをやりました.

課題ではAnalyticalな問題の他に,コンピュータを用いた数値計算の問題も出ました.また試験でも通常のAnalyticalな問題の他に,特定のstatementに対してYesかNoで答え,特定のモデルを自分で選んで論証するという問題が出ました.

後半は教員が変わり,恒常所得仮説のモデルからLjungqvist and Sargent 8章の完備市場のモデルとAsset Pricing,そしてRBC,DSGE,New Keynesian modelをカバーしました.またDynareを使ったシミュレーションについても解説されました.

試験は標準的な問題が出されましたが,宿題はそれなりに難しく,量も多かったのでなかなか大変でした.

Econometrics
今回は正真正銘の計量経済学で,極値推定量からOLS,IV,GMM,MLE,離散選択モデル,パネルデータまでをやりました.先生の解説がわかりやすく,初めて計量経済学を理解したと思えた授業でした(単にそれまでちゃんと勉強しなかっただけなんですが).

Macroと同様,解析的な問題だけでなくMATLABを使った数値計算の問題も出ました.試験の平均点がとてつもなく低いので(4割前後),ちゃんと勉強すればリラックスして受けられる授業でした.

まとめ

各授業については上に挙げたような感じで,個人的にはMicroは内容や難度など,京大で受けたものに近かったように思います.Macroやエコノメに関しては授業時間数の問題もあってかPenn Stateでの授業の方がカバーした内容が多く,また宿題の量も多かったのでPenn Stateの方が大変に感じました.

またPenn Stateではエコノメのプレリムがないので,MicroとMacroに比べて成績評価が厳しかったように思います.

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